フランシス・ホジソン・バーネット作の小説「秘密の花園」では、主人公のメアリーが、庭園の鍵と入り口を見つけ、秘密を解きながら花園を蘇らせようとするお話です。新緑のヒースやハリエニシダの花が咲き、コマドリが泣くその花園は、誰も実際には見たことがないけれど、きっと、こんな庭だったはず……
イマジネーションを広げ、誰も見たことがない庭を作り上げる。
それが、私の仕事です。
庭をつくりたいと思ったとき、誰もが、いつかどこかで見た風景や、心に思い描いた残った景色を今ここに再現したい、と考えるはず。まずは、そんな「まだここにない庭」をスケッチブックの上に描くことから始めます。お客様と会話しながら、手を動かして、想いを描く。そのプロセスを大切にしています。
庭作りにルールはありません。いい庭をつくるためにいちばん大切なことは、何ものにも捕われない、自由な発想力だと思います。
せっかく庭やベランダがあるのに、そこが洗濯物を干すだけの場所になっていないでしょうか? 木々を植え、花を咲かせ、生活の中に「庭」を取り入れてみれば、きっとあなたの毎日が変わるはずです。